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青森県 下北半島

仏ヶ浦(ほとけがうら)は、青森県下北半島の西岸、下北郡佐井村南部にある国の名勝および天然記念物に指定された絶景スポットです。陸奥湾口の平舘海峡に面した、峻険な海岸沿いに広がる2キロメートル以上の海蝕崖地形は、訪れる人々を魅了します。

仏ヶ浦は、古くは仏宇陀(ほとけうた、ほとけうだ)とも呼ばれ、緑色凝灰岩を主とする1500万年前の火山灰が雨や波によって削られてできた断崖・巨岩が連なります。それぞれの奇勝には、浄土のイメージを重ねて「如来の首」「五百羅漢」「極楽浜」などの名が与えられており、その神秘的な景観は地元民から観光客まで多くの人々を引き付けています。

仏ヶ浦は、文人で登山家・紀行家としても知られる大町桂月が1922年に訪れ、その奇観を讃えた和歌を詠んだことから広く知られるようになりました。その歌碑が今も仏ヶ浦の岸に建っています。また、宗教家の青木慈雲は、仏ヶ浦を霊界の入口であると評しました。

仏ヶ浦は、1934年に青森県天然記念物、1941年に国の名勝および天然記念物に指定され、1968年には下北半島国定公園の一部となりました。さらに1975年には、周辺の海域が仏ヶ浦海中公園に指定され、観光地としての価値が高まっています。1991年には、観光船の接岸を目的に小規模な桟橋が建設されました(仏ヶ浦港)。

仏ヶ浦は、1989年に日本の秘境100選、2007年に日本の地質百選にも選定されています。海上からの観光がおすすめで、佐井村佐井港およびむつ市脇野沢港から出る観光船が一般的な交通手段となっています。陸地からは、国道338号沿いにある無料駐車場から歩道を通って海岸にたどり着くことができますが、100メートル以上の高低差があり、所要時間は約15分です。

仏ヶ浦へのアクセスは、距離と高低差が思った以上に大変であるため、足腰に不安のある高齢者や車椅子利用者には困難です。また、野生の熊にも注意が必要です。しかし、その労力に見合う絶景が待っており、仏ヶ浦の神秘的な風景は訪れた人々の心をとらえるでしょう。

【まとめ】
仏ヶ浦は青森県下北半島の絶景スポットとして名高く、国の名勝および天然記念物に指定されているだけでなく、日本の秘境100選や日本の地質百選にも選ばれています。海上からの観光がおすすめで、陸地からのアクセスは少し大変ですが、その美しい景観は多くの人々に感動を与えています。仏ヶ浦を訪れる際は、その歴史や神秘的な風景をぜひ堪能してください。

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