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京都・祇園祭 後祭宵山 2025 — 提灯の海を歩き、11基の山鉾と出会う夜

祇園祭と八坂神社 祇園祭は、京都・八坂神社の祭礼であり、日本三大祭の一つに数えられます。起源は平安時代の869年、都で疫病が流行した際に、その鎮静を祈って行われた「御霊会(ごりょうえ)」が始まりです。八坂神社の御祭神・素戔嗚尊(スサノオノミコト)は、古来より厄除け・疫病退散の神として信仰され、祇園祭はその御...

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『建部大社』 瀬田川の風を背に“勝運”を射抜く、近江国一之宮の力場

JR琵琶湖線「石山」駅から旧東海道を歩いて約二十五分。石段の先に朱の大鳥居が現れ、背後で瀬田川の水面がきらめく。石山駅前から〈建部大社前〉行きバスに乗れば十〜十五分、京阪「唐橋前」駅からは瀬田の唐橋を渡って十分ほどで境内に至る。こうして川と陸、二つの“流れ”が交わる交差点に立つだけで、胸の奥が小さく鳴り始め...

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『御上神社』 近江富士に寄り添う国宝社殿と“鉄を鍛つ”祖神の霊気

JR琵琶湖線「野洲」駅で滋賀交通バス〈花緑公園行〉に乗り、およそ10分。「御上神社前」で降りると、正面に欅の大鳥居がそびえ、その背後には端正な円錐形の三上山 通称・近江富士が静かに鎮座している。鳥居をくぐった瞬間、山裾から吹き下ろす乾いた風が肌を撫で、胸の奥がきゅっと引き締まった。境内に歩みを進めるごとにヒ...

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『多賀大社』 “お多賀さん”に寿(ことほ)ぐ、延命長寿の聖域

近江鉄道「多賀大社前」駅を降り、糸切餅の暖簾が連なる門前町を歩くこと約十分 ゆっくり歩いても十二分ほどで、欅の大鳥居が姿を現す。鳥居をくぐった瞬間、比良山系から吹き下ろす乾いた風と犬上川の湿った空気が交わり、ふっと身体が軽くなる感覚に包まれた。ここ多賀大社は、国生み・神生みの親神 伊邪那岐大神 と 伊邪那美...

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『日吉大社』 比叡の森に息づく“山王信仰”と神猿の霊験

 JR湖西線「比叡山坂本」駅で電車を降り、石畳の参道を約二〇分。あるいは京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅から一〇分ほど(ゆっくり歩いて十五分)。朱塗りの大鳥居が視界に飛び込んだ瞬間、比叡山の澄んだ空気と琵琶湖の湿潤な風が交わり、肌にひんやりとした清涼感が走った――ここが二千年の歴史を刻む大霊場・日吉大社だ。...

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『近江神宮』 “時”と“言霊”が息づく琵琶湖畔の聖域

京阪電車「近江神宮前」駅を降りると、深い常緑の森に朱塗りの大鳥居が映え、参道全体が穏やかな気流で満たされています。ここ近江神宮は、昭和十五年(一九四〇)に鎮座した比較的新しい社ですが、主祭神の天智天皇が都を大津に遷した一三五〇年の歴史を背景に持ち、全国十六社のみの勅祭社として格別の格式を誇ります。 天智天皇...

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祇園祭の熱気から静寂へ──「悟りの窓」と「迷いの窓」が導く源光庵の禅時間

はじめに 〜 祇園祭・後祭の熱気を背に、静寂を求めて 猛暑の京都。祇園祭・後祭の宵山最終日で賑わう四条通をあとに、市バス北1系統で鷹峯へ。車窓に北山の緑が迫り、「鷹峯源光庵前」で下車すると一転して蝉しぐれと杉木立の清涼感が迎えてくれました。 源光庵の歩み 〜 “復古禅林”と呼ばれる理由 年代 できごと 補足...

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八坂神社 祇園祭〈後祭・宵々山〉に体感した“疫神退散”と“美徳招来”の気

京阪「祇園四条」駅から四条通を東へ。2025年7月22日、祇園祭〈後祭〉宵山の二日目に八坂神社へ向かった。午前9時、西楼門の朱が真夏の陽射しを反射し、境内はほどよい人出で落ち着いている。午後9時に再訪すると、同じ門が千余りの駒形提灯の光に包まれていた。後祭では前祭のような歩行者天国や露店は設けられないが、そ...

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【仁和寺、遅咲きの春に包まれて】

― 御室桜と静けさに出会う、満開の午後 ― はじめに:静かな庭から始まる、春の締めくくり 醍醐寺、清水寺と桜を巡ったこの日。最後に向かったのは、京都・御室に佇む世界遺産、仁和寺(にんなじ)。春の終わりにして、満開の桜に出会えることで知られる、まさに“季節のフィナーレ”にふさわしい場所です。 境内に入ってまず...