
【アンゼルム・キーファー『SOLARIS』展】
― 二条城に響く、崩壊と光の記憶 ― はじめに:静かに期待を抱いて、あの世界へ 昨年、表参道で観たアンゼルム・キーファーの《Opus Magnum》に心惹かれ、それ以来、彼の作品が記憶の中で静かに燻り続けていました。 そんな折、京都・二条城で新たな展覧会『SOLARIS』が開催されると知り、「今回はどんな風...
― 二条城に響く、崩壊と光の記憶 ― はじめに:静かに期待を抱いて、あの世界へ 昨年、表参道で観たアンゼルム・キーファーの《Opus Magnum》に心惹かれ、それ以来、彼の作品が記憶の中で静かに燻り続けていました。 そんな折、京都・二条城で新たな展覧会『SOLARIS』が開催されると知り、「今回はどんな風...
― 御室桜と静けさに出会う、満開の午後 ― はじめに:静かな庭から始まる、春の締めくくり 醍醐寺、清水寺と桜を巡ったこの日。最後に向かったのは、京都・御室に佇む世界遺産、仁和寺(にんなじ)。春の終わりにして、満開の桜に出会えることで知られる、まさに“季節のフィナーレ”にふさわしい場所です。 境内に入ってまず...
― 散りゆく春と、世界が集まる舞台で ― はじめに:雨が洗った桜のあとで 2025年4月11日。前日に降った雨は、京都の桜を少しだけ削ぎ落としながらも、そのひとひらひとひらにかえって清らかな光を与えていました。 醍醐寺の静けさに心を整えたあと、私は京都を象徴するもうひとつの桜の舞台――清水寺へと向かいました...
― 散ることの美しさを知る春の旅 ― はじめに:雨上がりの静けさに誘われて 春の終わりは、ある日ふいに訪れる。 2025年4月11日。前夜の雨で少しばかり花が散っていたとはいえ、京都・醍醐寺に向かう朝の空気はどこか清らかで、静かに季節の移ろいを告げていました。 千年以上の時を刻む古刹、醍醐寺(だいごじ)。豊...
春が訪れるたび、心がふわりと軽くなる。柔らかな陽射し、優しく吹く風、そして空を染めるように咲き誇る桜。そのどれもが、忙しない日常をほんの少しだけ忘れさせてくれる。2025年4月5日、そんな春の一日を過ごしたのが、神奈川県にある歴史の城「小田原城」だった。 この日、小田原の空は晴れ渡り、まさに桜日和。遠くから...
2025年4月5日、三島市にある三嶋大社を訪れました。前日までの雨が上がり、空は澄み渡るような青。春の光に包まれた境内には満開の桜が広がり、散った花びらが石畳にやさしく舞い降り、風情ある景色をつくっていました。 一部では葉桜が混じり、桜吹雪と緑が織りなす絶妙なバランスに、時の流れの美しさを感じました。帰り道...
9日間だけ開かれる、“春の扉” 春の東京は、桜が街に命を吹き込むように咲き誇り、人々の記憶にそっと花びらを落としていきます。中でも、「皇居乾通りの一般公開」は、一年のうちわずか数日間だけ開かれる、特別な桜体験。 今回はその皇居乾通りを中心に、千鳥ヶ淵、靖国神社、新宿御苑と、都内屈指の花名所をめぐりながら、2...
2025年3月20日、春分の日に神奈川県の寒川神社を訪れました。この日は特別な日であり、多くの参拝者で賑わっていました。寒川神社は全国唯一の「八方除」の守護神を祀る神社として知られています。また、春分・秋分の日には太陽が真東から昇り、真西(富士山頂)に沈む「レイライン」上に位置しており、スピリチュアル...
はじめに 2025年3月16日、長崎県壱岐市芦辺町諸吉本村触に鎮座する寄八幡神社を訪れました。当日は小雨が降る曇り空で、湿った空気が辺りを包み込んでいました。雨に濡れた木々の葉が鮮やかさを増し、参道に漂う土の香りと相まって、神秘的な雰囲気を醸し出していました。石段を一歩一歩踏みしめながら進むと、歴史の...
はじめに 2025年3月16日、小雨の降る壱岐の地を訪れました。向かったのは、芦辺町国分東触に鎮座する月讀神社。しとしとと降る雨が木々の葉を潤し、しっとりとした空気が境内全体を包み込んでいました。参道を歩くたびに足元から立ち上る土の匂いが、自然と心を引き締めてくれます。石段を一歩ずつ踏みしめながら辿り着いた...