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愛媛県 伊佐爾波神社

伊佐爾波神社は、詳細な創建時期は不明ながらも、清和天皇の御代に奈良大安寺の僧・行教が伊予の国司の許可を得て、道後に八社八幡宮を建立したうちの一社として知られています。神功皇后・仲哀天皇御来湯の際の行宮跡に建てられたと伝わるこの神社は、延喜式にも記載される古社で、一時は湯月八幡宮や道後八幡とも呼ばれました。

道後公園山麓に鎮座していたとされる伊佐爾波神社は、建武年間(14世紀前半)に河野氏が湯月城築城の際に現在地へ遷され、道後七郡(野間、風速、和気、温泉、久米、伊予、浮穴)の総守護と称されました。後に加藤嘉明が松山城の固めとして八社八幡を定め、武運長久の祈願所として一番社に定められ、久米郡井合の土地百石が神社の社領として寄進されました。

現在の御社殿は、江戸時代に松山藩主・松平定長公が弓の競射で必中を祈願し、成就したお礼に建て替えられました。寛文4年(1664年)に着工し、大工697人、延べ人数69,017人を要して寛文7年(1667年)に竣工。遷宮式が華やかに執り行われたと言われています。

京都の石清水八幡宮を模したとされる伊佐爾波神社は、全国に三例しかない整った八幡造りの社殿で、昭和31年6月に本殿が国の重要文化財に指定され、昭和42年6月に全体が追加指定を受けました。

主祭神は、譽田別尊(応神天皇に同じ)、足仲彦尊(仲哀天皇に同じ)、氣長足姫尊(神功皇后に同じ)、三柱姫大神

(宗像三女神に同じ)の4柱です。これらの神々が祀られる伊佐爾波神社は、地元松山をはじめとした愛媛県の人々に、縁結びや商売繁盛、家内安全などのご利益をもたらす神社として親しまれています。

伊佐爾波神社の境内には、古くから伝わる自然の景観や石造りの灯篭などが点在し、四季折々の風情を楽しむことができます。また、神社周辺には道後温泉や松山城などの観光スポットも多く、観光客にも大変人気があります。

歴史と伝統に彩られた伊佐爾波神社は、日本の文化遺産のひとつとして大切に受け継がれています。ぜひ一度、この古社の魅力を訪れて感じてみてください。

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