【忍野八海】美と神秘に包まれた富士山の伏流水
山梨県 忍野八海
山梨県南都留郡忍野村にある忍野八海は、富士山の伏流水を水源とする湧水池です。国の天然記念物や富士山世界文化遺産構成資産に指定されており、水質の良さから全国名水百選にも選出されています。その神秘的で厳かな雰囲気は、訪れる者の心を揺さぶり、魅了することでしょう。
昔から「神の泉」として親しまれ、雄大な富士山を眺められることから、パワースポットとしても名高い忍野八海。日本人だけでなく、海外からの観光客も多く訪れています。今回は、そんな忍野八海の歴史や美しい湧水池、そして八つの霊場についてご紹介しましょう。
<忍野八海の歴史>
忍野八海がある場所は、かつて宇津湖と呼ばれた湖でしたが、西暦800年の富士山噴火により湖が分断され、忍野湖と山中湖が誕生しました。その後、忍野湖は盆地へと変化し、富士山などの山々の湧水が池になりました。湧き水池の代表が忍野八海です。八海という名前は、富士山を信仰する人々が富士登山の際に身を清める八海めぐりが由来となっています。
<忍野八海の美しい水の理由>
忍野八海の水が澄み切って美しいのは、富士山の雪解け水が地下の不透水層である溶岩中で数十年かけてろ過されているからです。また、周辺は平地になったことで、お米の産地としても有名になり、澄み切った湧き水は農業用水や飲料水として親しまれています。
<忍野八海の八つの霊場>
- 出口池:
北極星を意味し、桂川の水源の一つとなる湧水がある。 - お釜池:
釜中に熱湯が沸騰するように湧水し、バイカモが清流に揺れる風景が見られる。 - 底抜池:
榛の木林資料館(有料)の中にあり、八海の中では最も古い風景を保っている。お釜池と底抜池は地底で水脈がつながっているとされている。 - 銚子池:
酒を注ぐ銚子の形から名付けられ、池の底の砂地から砂を巻き上げて水が湧いている様子が見られる。 - 湧池:
忍野八海を代表する池で、珪藻土からなる水中洞窟からの湧水量が豊富。1983年には宇宙で雪を作る実験にこの湧池の水が使われた。 - 濁池:
湧池に隣接し、阿原川に注いでいる。みすぼらしい行者が一杯の水を求めたが断られ、池の水が濁ってしまったという伝説がある。 - 鏡池:
富士山の姿が鏡のように映るため名付けられ、古くは鰶(このしろ)池とも呼ばれていた。この池にはすべての事の善悪を見分けるという伝説がある。 - 菖蒲池:
端午の節句の菖蒲湯に使われるサトイモ科の菖蒲が植えられており、石碑越しに霊峰富士の美しい景色を見ることができる。
忍野八海は、その美しい水と神秘的な雰囲気で多くの人々を魅了し続けています。日本の自然の美しさを感じられるだけでなく、歴史や伝説に触れることができる場所でもあります。ぜひ一度訪れて、その神秘的な魅力を体感してみてください。
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