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香川県 与島

瀬戸内海、温暖な気候と晴れの日が多く、見事な景色が広がる場所です。英国のトマス・クックは、「欧州各国の湖の最も良いところだけを集めて一つにしたほど美しい」と称賛していました。その美しさは、多くの国内外の人々を引き付けています。

そんな瀬戸内海の島々と港を舞台に、3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、アート作品で島の魅力を表現する現代アートの祭典です。世界中からアーティストが参加し、地元の人々と協力して作品を制作。島々をのんびり船で巡りながら楽しむことができます。

2022年の第5回瀬戸内国際芸術祭は、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島の12の島と高松港、宇野港の2つの港で開催。さらに本土側にも作品が展示されました。テーマは「島のおじいさんおばあさんの笑顔を見たい」と、島民と観光客が一体となって楽しむことができる祭典です。

月への道

瀬戸内国際芸術祭2023春、与島では鍋島灯台を舞台に、レオニート・チシコフ(ロシア)の《月への道》が展示されています。明治初期から150年間、航海の難所を照らし続けてきた鍋島灯台は、与島の南端に位置しています。

灯台の内部には、100万個の星を持つ宇宙の立方体のインスタレーションが設置され、幻想的な光景が広がっています。鍋島灯台は香川県にある2基の明治時代に建設された西洋式灯台の一つ。英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計・監督により、明治5年(1872年)11月15日に点灯されました。

この灯台は、瀬戸大橋を走る自動車からも見ることができ、経済産業省から「近代化産業遺産群」に認定されるなど、歴史的文化財として高い評価を受けています。また、踊り場からは瀬戸大橋や瀬戸内海国立公園の備讃瀬戸の島々、四国讃岐の景観を楽しむことができます。

瀬戸内国際芸術祭2023春を訪れた際は、与島の鍋島灯台でチシコフの《月への道》をぜひ体験してみてください。美しい瀬戸内海の景色と共に、幻想的なアート作品があなたを待っています。

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