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都市の中に現れたもう一つの現実 恵比寿映像祭2026、映像が身体と存在を映し出す瞬間

(2026年2月11日|東京都写真美術館・恵比寿ガーデンプレイス) 冬の澄んだ空気に包まれた2月の恵比寿。東京都写真美術館を中心に開催される「恵比寿映像祭」は、都市と映像、そして人間の感覚を静かに接続する特別な時間を生み出すフェスティバルだ。私がこの映像祭を訪れるのは、一昨年以来、今回で2回目となる。 20...

Fashion / Maison Art

カルティエの魔法に触れる サヴォアフェールと川内倫子が描く「職人という芸術」

2026年2月11日、銀座の静かな通りに佇むカルティエ 銀座2丁目ブティック「Maison de Panthère」を訪れた。ガラス越しに見える空間は、ブティックでありながら、どこか神聖なアトリエのような緊張感を纏っている。扉を開けた瞬間、外界の時間から切り離されたような静けさが身体を包み込んだ。 ここで開...

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BONSAIという時間の芸術 第100回国風盆栽展で出会った、日本の究極の美

2026年2月11日。私は初めて、盆栽の世界に足を踏み入れた。訪れたのは、記念すべき節目となる「第100回国風盆栽展(前期)」。それは単なる展示ではなく、日本文化の深層に触れる体験であり、「時間」という概念そのものを目の前に提示される、静かで圧倒的な空間だった。 これまで盆栽に対して抱いていた印象は、「伝統...

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触れられる距離まで来てしまった未来 Tokyo Prototypeで体験した、熱を帯びた東京の現在

Tokyo Prototypeとは何か Tokyo Prototypeは、完成された未来像を展示するイベントではない。少なくとも、私が体験した限りここで提示されているのは、社会実装の一歩手前、あるいは思考や技術が形になりかけた段階の「プロトタイプ」だ。 AI、テクノロジー、アート、研究、プロダクト。それらが...

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2026年、虎ノ門。私たちは「電脳化」の入り口に立った。攻殻機動隊展・初日潜入レポート

2026年1月30日、金曜日。夜。 地上200メートル、虎ノ門ヒルズ「TOKYO NODE」の最上階へと向かう直通エレベーターの中で、私はある確信を抱いていました 。今日ここで目にするのは、単なるアニメの回顧展ではない。それは、私たちが今まさに足を踏み入れようとしている「未来の断片」なのだと 。 窓の外に広...

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時間は過ぎ去る、それでも体験は残る 六本木クロッシング2025展を歩く

「時間」をテーマにした現在地の記録 三年に一度、森美術館が開催する「六本木クロッシング」は、その時代における日本の現代美術の“現在地”を定点観測する展覧会として位置づけられてきた。2025年から2026年にかけて開催されている本展は、その第8回目にあたる。 会場は六本木ヒルズ森タワー53階に位置する 森美術...

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The Moveum Yokohama|山下ふ頭の歴史を抱く倉庫で出会う、クリムトとシーレの光と音

2026年1月12日 冬の午後、山下公園に到着したのは16時半を少し回った頃でした。低くなった太陽が海の向こうへ傾き、水面の反射が一瞬視界を白くする。横浜らしい「街と港の境界」が、夕方の光でさらに柔らかく見える時間帯です。これから向かう展示体験に向けて、気持ちが自然と整っていくような、静かなプロローグでした...

Spiritual place

多度大社 三重県桑名市多度町に根づく山の信仰と馬の神事

【導入】 訪問日は2025年12月13日。多度山の麓に広がる境内には、冬に入ったばかりの冷たい空気が溜まり、朝の光は木立の間を低く差し込んでいました。遠くで車の音が途切れ、参道では玉砂利を踏む音だけが一定の間隔で続いています。境内全体は広く、視界の奥には常に山の稜線があり、風は山側からゆっくりと流れていまし...