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雨に映る光の宮殿 ― 迎賓館赤坂離宮ライトアップ2025

2025年10月4日、土曜日。生憎の雨模様の東京・赤坂。けれどその夜、雨粒が作り出した光の反射が、迎賓館赤坂離宮をいっそう幻想的に輝かせていました。 ◆ 迎賓館赤坂離宮とは 迎賓館赤坂離宮(げいひんかん あかさかりきゅう)は、明治42年(1909年)に東宮御所として建設された、日本唯一のネオ・バロック様式の...

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六本木アートナイト2025 ─ 韓国アートが灯す夜の祝祭

はじめに ― 夜の六本木が変わる瞬間 2025年9月27日、六本木の街全体が一夜限りの美術館となった。今年の六本木アートナイトは「都市とアートとミライのお祭り」を掲げ、特に「RAN Focus」として韓国アートを大きく取り上げていた。普段の六本木とは違う、光と影が交錯する夜の街を歩くと、アートに包まれる祝祭...

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瀬戸内国際芸術祭2025 最終回『豊島』静けさと記憶が交差する島で

導入 訪問日:2025年8月17日会場名:豊島(瀬戸内国際芸術祭2025・夏会期/全9回シリーズ最終回) 9回にわたって綴ってきた瀬戸内国際芸術祭2025の記事も、いよいよ今回が最終回となる。最後の訪問地に選んだのは、私にとって特別な意味を持つ豊島だった。2022年に初めて巡った際、豊島美術館で感じた「時間...

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瀬戸内国際芸術祭2025・犬島編 家プロジェクトと精錬所美術館を歩く

導入 2025年8月17日、私は初めて犬島を訪れました。直島や豊島と並ぶベネッセアートサイトの拠点であり、かつて銅精錬や石材業で栄えた歴史をもつ小さな島です。犬島で出会った家プロジェクト、精錬所美術館、くらしの植物園〈HANA〉、そしてINUJIMAアートランデブーの作品。その体験をご紹介します。シリーズは...

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小豆島|瀬戸内国際芸術祭2025 第7回:夕暮れの島で出会ったアート

導入 2025年8月16日の夕方から翌朝にかけて、小豆島を訪れました。夏会期中の滞在は短時間ではありましたが、瀬戸内国際芸術祭の作品をいくつか巡り、深い印象を受けました。2022年には丸2日かけて島内を回った経験があるため、今回は「限られた時間で、心に響く作品を味わう」という特別な視点での訪問となりました。...

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直島④|瀬戸内国際芸術祭2025 第6回:安藤忠雄建築の集大成、直島の美術空間を巡る

はじめに 2025年8月16日午後。ANDO MUSEUMと直島新美術館を巡った後、私は直島の「核」ともいえるエリアへと向かいました。ここには、安藤忠雄の建築を舞台に世界的なアーティストの作品が常設される、直島の象徴的な場所があります。《ベネッセハウス ミュージアム》《李禹煥美術館》《地中美術館》《ヴァレー...

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直島③|瀬戸内国際芸術祭2025 第5回:ANDO MUSEUMと直島新美術館、安藤忠雄が刻む未来への道

はじめに 2025年8月16日。直島滞在二日目、私は安藤忠雄建築をめぐる時間を過ごしました。古民家の中に現れる打放しコンクリートの空間《ANDO MUSEUM》。そして、今年5月に開館したばかりの《直島新美術館》。瀬戸内国際芸術祭とともに歩んできた直島の歴史に、またひとつ新たな節目が刻まれた瞬間を体感しまし...

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直島②|瀬戸内国際芸術祭2025 第4回:護王神社と杉本博司の「時の回廊」

はじめに 2025年8月16日、直島二日目。私は、長年惹かれ続けてきた杉本博司の作品世界を辿る一日を過ごしました。家プロジェクトの要である護王神社《Appropriate Proportion》、そして《杉本博司ギャラリー 時の回廊》。「江之浦測候所」や「本歌取り 東下り」など各地で作品を見てきた体験が、直...

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直島①|瀬戸内国際芸術祭2025 第3回:赤かぼちゃからRing of Fireまで、直島の真髄を歩く

はじめに 2025年8月15日。瀬戸内国際芸術祭の旅は、いよいよ直島に入りました。直島は「現代アートの聖地」と呼ばれる島で、芸術祭だけでなく普段から多くの人々を惹きつけています。今回の記事はシリーズ第3回。訪れたのは《赤かぼちゃ》をはじめとする象徴的な作品群、銭湯「I♥湯」、家プロジェクト、そ...

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忌部神社参拝記 ― 阿波踊りの余韻と共に

導入:熱気と静けさの交差点 徳島の夏といえば、何といっても阿波踊り。2025年8月14日、私はその熱気に包まれる徳島市内にいました。踊り子たちの掛け声と太鼓の響きが夜空にこだまする中、心の奥で「静かな場所に身を置きたい」という思いがふっと芽生えました。熱狂の余韻を胸に抱えたまま、私は足を延ばし、眉山の南麓に...