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170年の旅が再起動 大阪中之島で体感するルイ・ヴィトン『ビジョナリー・ジャーニー』

大阪・中之島で開催中の本展は、単なるアーカイブ陳列でも、ブランドの年表をなぞる回顧でもありません。ルイ・ヴィトンが170年以上かけて磨いてきた「旅」の概念を、トランク=起点からランウェイ、カルチャー協働へと接続し直す“編集”として体験させてくれる大型展です。会場のスケールは十分。4つのゾーン、11のギャラリ...

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草間彌生「INFINITY ― Selected Works from the Collection」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)訪問ガイド

万華鏡のように世界が反復し、自己が溶け出していく。草間彌生の芸術を象徴する「無限」と「反復」の感覚を、凝縮された空間に体験として結晶させた展覧会が、大阪・心斎橋のエスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催中です。タイトルは「INFINITY ― Selected Works from the Collection」...

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最終日の熱気を歩く 「安藤忠雄展 青春」大阪で体感した“設計の手”と、光と水の時間

開催概要 最終日ということもあり、会場は開場直後から人、人、人。動線は常に緩やかな渋滞で、ひとつの展示前に人だかりができると、次のブロックまでゆっくりとしか進めませんでした。それでも「行けてよかった」と言い切れるのは、図面・建築パース・アクソメ・模型、そして大画面映像まで、安藤建築を“つくる手”のレイヤーご...

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色彩豊かな異文化の旅:松山智一展「FIRST LAST」

桜が散る4月下旬、東京・麻布台ヒルズギャラリーで開催中の松山智一展「FIRST LAST」を訪れました。ニューヨークを拠点に活動する松山にとって、日本初の大規模個展となる本展には、約40点の多彩な作品が集結し、7つの章立て(屋外展示も含む)で構成されています。会場に足を踏み入れた瞬間から、全身を包み込むよう...

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ジブリの魔法と革の芸術が交差する:ロエベ「クラフテッド・ワールド展」

はじめに 2025年4月26日、原宿で開催中のロエベ「クラフテッド・ワールド展」に足を運びました。ロエベ史上初となる大規模展覧会は事前予約制・入場無料とあって大人気で、会場内は多くの来場者で賑わっていました。私自身、ロエベもスタジオジブリ作品も大好きなので、会場に入る前から期待で胸が高鳴ります。入り口からロ...

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『Two Paintings』で出会う、記憶と再生──アンゼルム・キーファー展レビュー

— 二条城「ソラリス」と映画『アンゼルム』を経て、二つの絵と向き合う時間 — はじめに:二つの絵との静かな対話を求めて 京都・二条城で開催中の大規模展「アンゼルム・キーファー:ソラリス」で味わった圧倒的な体験が、まだ記憶に新しく残っています。歴史ある空間に響く崩壊と再生のイメージに心揺さぶられ、作品世界に深...

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江戸の魂、令和に響く 『浮世絵現代』が描く美の系譜

先日、上野の東京国立博物館・表慶館で開催中の特別展「浮世絵現代 Ukiyo-e In Play」に行ってきました。表慶館は明治時代創建の重厚な洋風建築で、そこに足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたような不思議な感覚に包まれました。江戸時代から受け継がれてきた木版画の技術と、現代アーティストたちの感性が...

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【大阪・関西万博2025|初日体験記・後編】

― 世界をめぐる空間体験 ― フランス館で見た未来のエレガンスと、嵐のなかの夕日 はじめに:アートと建築を追って、次に向かったのは「世界の感性」 シグネチャーパビリオンで“いのち”や“静けさ”と対話したあと、足を向けたのは、各国がそれぞれの文化と美意識を空間化した海外パビリオン群。 アートと建築が好きな私に...