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BONSAIという時間の芸術 第100回国風盆栽展で出会った、日本の究極の美

2026年2月11日。私は初めて、盆栽の世界に足を踏み入れた。訪れたのは、記念すべき節目となる「第100回国風盆栽展(前期)」。それは単なる展示ではなく、日本文化の深層に触れる体験であり、「時間」という概念そのものを目の前に提示される、静かで圧倒的な空間だった。 これまで盆栽に対して抱いていた印象は、「伝統...

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触れられる距離まで来てしまった未来 Tokyo Prototypeで体験した、熱を帯びた東京の現在

Tokyo Prototypeとは何か Tokyo Prototypeは、完成された未来像を展示するイベントではない。少なくとも、私が体験した限りここで提示されているのは、社会実装の一歩手前、あるいは思考や技術が形になりかけた段階の「プロトタイプ」だ。 AI、テクノロジー、アート、研究、プロダクト。それらが...

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2026年、虎ノ門。私たちは「電脳化」の入り口に立った。攻殻機動隊展・初日潜入レポート

2026年1月30日、金曜日。夜。 地上200メートル、虎ノ門ヒルズ「TOKYO NODE」の最上階へと向かう直通エレベーターの中で、私はある確信を抱いていました 。今日ここで目にするのは、単なるアニメの回顧展ではない。それは、私たちが今まさに足を踏み入れようとしている「未来の断片」なのだと 。 窓の外に広...

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時間は過ぎ去る、それでも体験は残る 六本木クロッシング2025展を歩く

「時間」をテーマにした現在地の記録 三年に一度、森美術館が開催する「六本木クロッシング」は、その時代における日本の現代美術の“現在地”を定点観測する展覧会として位置づけられてきた。2025年から2026年にかけて開催されている本展は、その第8回目にあたる。 会場は六本木ヒルズ森タワー53階に位置する 森美術...

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The Moveum Yokohama|山下ふ頭の歴史を抱く倉庫で出会う、クリムトとシーレの光と音

2026年1月12日 冬の午後、山下公園に到着したのは16時半を少し回った頃でした。低くなった太陽が海の向こうへ傾き、水面の反射が一瞬視界を白くする。横浜らしい「街と港の境界」が、夕方の光でさらに柔らかく見える時間帯です。これから向かう展示体験に向けて、気持ちが自然と整っていくような、静かなプロローグでした...

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大宮エリー 回顧展「生きているということ」創作と生の軌跡を訪ねて

2025年11月23日、私は東京都内で開催されていた 大宮エリー の回顧展「生きているということ」を巡った。会場は三か所。始まりは港区・六本木、次に代官山、そして最後に三宿・池尻。この展覧会は、彼女が 2025年4月にこの世を去り、50歳の誕生日となる11月21日から始められたもの。生涯にわたって残した 絵...

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街が物語に変わる夜。イマーシブシアター『猫町』in ムーンアートナイト下北沢

― 夜の街が、物語に変わる ― 2025年10月5日。ムーンアートナイト下北沢の最終日。夜の気配が濃くなりはじめた19時過ぎ、私はイヤホンを耳に差し、スマートフォンを片手に立っていた。アプリを起動し、再生ボタンを押す。街の喧騒の中で、ひとつの声が静かに響きはじめる。 (「君にはどう見える? 私にはどの月も同...