ヴィヴィアン・サッセンの30年を振り返る―京都新聞旧印刷工場での特別展示
「PHOSPHOR: Art & Fashion 1990-2023」
2024年、京都の春はアートで彩られます。京都国際写真祭の一環として、オランダ出身の著名な写真家ヴィヴィアン・サッセンの大規模な回顧展が開催されています。本展「PHOSPHOR: Art & Fashion 1990-2023」は、彼女の30年以上にわたるキャリアを集大成したもので、ファッションとアートの交差点に立つ作品群が特徴です。この展示会では、ディオールのサポートとパリのヨーロッパ写真美術館(MEP)との共同開催により、国際的な視点から彼女の作品が紹介されています。
作品紹介:
ヴィヴィアン・サッセンの作品は、ファッションデザインを学んだ後に独自の写真表現へと進化しました。彼女は1992年にオランダの芸術大学を卒業後、芸術家としてだけでなくファッションフォトグラファーとしても活動を始め、色彩の鮮やかさやユニークなフレーミング、被写体との対話が特徴的です。展示されている作品は、これまでに見せたことのないアーカイブや映像インスタレーションを含む200点以上に及びます。その中には、「Lexicon」、「Of Mud and Lotus」、「Umbra」などの代表的なシリーズからの作品が展示されており、それぞれが異なるテーマや時期を象徴しています。サッセンの作品は、生と死、性欲、欲望、他者との繋がりといったテーマを探求し、写真に加えてビデオ、絵画、コラージュを駆使して表現されています。
特別プログラムとアーティストトーク:
展示期間中には、ヴィヴィアン・サッセン自身が参加するアーティストトークやツアーが予定されています。これらのセッションでは、サッセンが自身の作品に込めた意図やインスピレーションの源について話し、訪れる人々に直接その思想を伝える機会を提供します。例えば、4月13日と20日には「PHOSPHOR: Art & Fashion 1990-2023」についてのアーティストツアーがあり、サッセン自身が展示の案内を務めます。また、4月20日には「写真集制作の愛」に焦点を当てたトークとブックサイニングイベントが京都TSUTAYA BOOKSで開催される予定です。これらのプログラムは、作品への理解を深め、観る者自身のアートに対する感受性を高める貴重な機会となるでしょう。
イベント詳細とアクセス情報:
「PHOSPHOR: Art & Fashion 1990-2023」展は、京都市中京区に位置する京都新聞旧印刷工場地下1階で特別に開催されます。展示は2024年4月から5月までの期間限定で、午前10時から午後6時まで公開されており、月曜日を除く毎日開場しています(4月16日、23日、30日および5月12日は休館)。アクセスは、地下鉄烏丸線「丸太町」駅から徒歩1分という便利な立地にあります。事前にオンラインで予約をすることで、入場券を確保することが可能ですが、毎日数量限定の無料チケットも用意されています。この特別な機会に、国際的な視点からの芸術作品を体験することができます。
この「PHOSPHOR: Art & Fashion 1990-2023」展は、ただの回顧展ではありません。それはヴィヴィアン・サッセンがこれまでに辿ってきたアートとファッションの融合の旅路を、見る者に体験してもらう試みです。彼女の作品は、観る者に深い印象を与えるだけでなく、写真が持つ力を再確認させてくれます。展示は京都新聞旧印刷工場地下1階で行われ、特定のKYOTOGRAPHIEパスポート保持者またはオンラインでの事前予約者に限り無料で公開されています。アートの愛好家であれば、この機会を逃す手はありません。ヴィヴィアン・サッセンの目通しする世界を、ぜひその目で確かめてみてください。
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