Article list

長野県 戸隠神社

戸隠神社は霊山戸隠山のふもとに位置し、五つの社(奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社)から成る神秘的な神社です。そのルーツは、神代の昔にさかのぼり、天岩戸開き神話にまつわる神々が祀られています。天照大神が弟の乱行に怒って岩戸に隠れ、世界が暗闇に包まれた際、神々が歌や踊りの祭りを開いて天照大神を引き出すことに成功しました。伝説によれば、その岩戸が下界に落ち、戸隠山が誕生したと言われています。

戸隠神社の歴史は古く、地主神として、水と豊作を司る九頭龍大神が祀られています。水は生命にとって欠かせない存在であり、戸隠信仰の起源とされています。天台密教が伝播し、神仏習合の顕光寺が創建されたことで、戸隠信仰は修験道とも融合し、日本全国に名を馳せました。修行の道場として栄え、中世から近世にかけて広く信仰を集めましたが、明治初年の神仏分離令により、神道と仏教の選択を迫られ、神社神道の道を歩むことになりました。

戸隠神社各社の御祭神は、奥社には天手力雄命、中社には天八意思兼命、火之御子社には天鈿女命、宝光社には天表春命が祀られています。また、九頭龍社には水と豊作を司る九頭龍大神が祀られており、それぞれの神社には神話に登場する神々が祀られています。

参道は約2キロにわたり、途中には赤い随神門や、樹齢400年を超える杉並木が連なります。中社には狩野派の天才絵師・河鍋暁斎が描いた「龍の天井絵」があり、境内には樹齢700年を超えるご神木や樹齢800年を超える三本杉が立っています。戸隠神社の社務所もここにあります。

宝光社には、杉の古木に囲まれた270余段の石段を登った先に、神仏習合時代の面影を残す荘厳な社殿が鎮座しています。開拓や学問技芸、裁縫の神、安産の神、女性や子供の守り神としての御神徳があります。

九頭龍社は、天手力雄命が奉斎される以前から地主神として祀られており、心願成就の御神徳が高く、水の神、雨乞いの神、虫歯の神、縁結びの神として尊信されています。

火之御子社は、承徳二年(1098年)頃の創建で、舞楽芸能の神、縁結びの神、火防の神として尊崇されています。境内には樹齢500年を超える夫婦の杉(二本杉)や、有名な西行桜があります。

戸隠神社は、神話と自然が息づくパワースポットとして、全国から多くの参拝者が訪れます。参道を歩き、古代からの信仰が続く神社を訪ねることで、日常から離れた神秘的な空間を感じることができるでしょう。戸隠神社を巡る旅は、心身ともにリフレッシュし、パワーをもらえること間違いありません。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。