【熊野大社】出雲国一宮 熊野大社:スサノオノミコトが守る古代の神秘
島根県 松江市
熊野大社は、出雲大社と並ぶ歴史ある古社であり、出雲国一の宮として崇敬されています。火の発祥の神社として知られるこの神社は、「日本火出初之社」(ひのもとひでぞめのやしろ)とも呼ばれ、出雲大社と共に出雲国一宮であることから、出雲国造本来の奉斎社であり、意宇六社の一つに数えられています。
主祭神は、ヤマタノオロチを退治し、姫を救った伝説を持つスサノオノミコトです。彼は愛の神・救いの神と言われ、農業生産の豊穣や人々の生業の発展、世の中の平和や幸福を導く神としても崇められています。
熊野大社では毎年10月15日、出雲大社宮司が参向し、出雲大社で用いる神聖な火を拝戴する鑽火祭(さんかさい)が執り行われます。この日は、出雲大社の宮司が熊野大社を訪れ、「古伝新嘗祭」に使用する燧臼(ひきりうす)、燧杵(ひきりきね)を受け取ります。この燧臼、燧杵は毎年熊野大社から授けられることになっており、この授け渡しの儀は「亀太夫神事」と呼ばれ、出雲大社が納める餅の出来ばえについて苦情を口やかましく言い立てる変わった神事で全国でも他に例がありません。
境内にある鑽火殿は熊野大社独特の社殿で、毎年の鑽火祭や出雲大社宮司(出雲國造)がその職を受け継ぐ火継式斎行の大切な祭場になっており、発火の神器である燧臼、燧杵が奉安されています。
スサノオノミコトがクシナダヒメに結納のシルシとして贈った御櫛にちなみ、毎年4月13日には御櫛祭(みぐしさい)が行われます。熊野大社で縁結び祈願を行った「縁結びの御櫛」は、「八雲塗」という漆塗りの伝統工芸の一品で、かわいらしさの中にも品の良い落ち着いた櫛です。
紀伊国の熊野三山(熊野国造奉斎社)も有名ですが、熊野大社から紀伊国に勧請されたという説と、全くの別系統とする説があります。社伝では、熊野村の住人が紀伊国に移住したときに分霊を勧請したのが熊野本宮大社の元であるとされています。
祭神は次の1柱で、伊邪那伎日真名子加夫呂伎熊野大神櫛御気野命(いざなぎのひまなご かぶろぎ くまののおおかみ くしみけぬのみこと)です。祭神名は素戔嗚尊の別名であるとされ、「伊邪那伎日真名子」は「イザナギが可愛がる御子」の意、「加夫呂伎」は「神聖な祖神」の意とされています。
この神社に訪れると、熊野大社の神秘的な雰囲気に包まれます。火の神、スサノオノミコトが守る古代の神秘を感じることができるでしょう。縁結びの御櫛を手に入れて、スサノオノミコトに愛と幸せを祈願しましょう。熊野大社での特別な神事や祭りに参加することで、日本の古代から伝わる神々の力を身近に感じることができます。
出雲国一宮の熊野大社を訪れることで、日本の歴史や神話、神々の息づかいを感じられるでしょう。この神秘的な場所で、スサノオノミコトの導く愛と縁結びの力を体感してみてください。
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