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2024年6月に開館予定のUESHIMA MUSEUMは、東京の渋谷に位置し、現代アートを展示する新たな文化拠点として注目されています。この美術館は、現代アートを通じて過去、現在、未来をつなぐユニークな視点を提供することを目指しています。創設者の植島幹九郎氏によるコレクションを中心に、多様なアーティストの作品が展示されています。

pickup1. 名和晃平

名和晃平は、彫刻やインスタレーションを通じて物質と生命の境界を探る日本の現代美術家です。京都市立芸術大学を卒業後、彼の作品は国内外で高く評価されています。彼の代表作「PixCell-Deer」シリーズでは、剥製の動物にガラスビーズを被せ、視覚的な変換を行うことで存在の在り方を問いかけます。UESHIMA MUSEUMでは1階と2階で彼の作品が展示され、1階では「PixCell-Deer #40」、2階では「PixCell-Sharpe’s grysbok」が紹介されています。これらの作品は、デジタルとアナログ、自然と人工の交差点を探求しています​

pickup2. 塩田千春

塩田千春は、糸や日常的なオブジェクトを用いたインスタレーションで知られる日本の現代美術家です。多摩美術大学で学び、その後ドイツのハンブルク美術大学で研鑽を積みました。彼女の作品は、記憶、存在、アイデンティティのテーマを深く掘り下げています。UESHIMA MUSEUMの2階では、「State of Being (Skull)」、「State of Being (Two Chairs)」、「上海での隔離」シリーズ、「Cell」などの作品が展示されており、塩田の作品が持つ深い感情と強いメッセージが伝わってきます。彼女の作品は、視覚的な美しさとともに、哲学的な問いかけをもたらします​

pickup3. 杉本博司

杉本博司は、日本の現代美術家であり、特に写真家として国際的に高く評価されています。彼の作品は、時間と記憶、歴史と現代の対比をテーマにしています。杉本は、独自の長時間露光技法を駆使し、劇場や建築物、海景などを撮影することで、静寂と永続性を表現します。彼の代表作「海景」シリーズでは、水平線のシンプルな美しさと無限の広がりを捉えています。UESHIMA MUSEUMでは、以下の作品が展示されています:

  1. Colors of Shadow C1017 (2006年)
  2. Palais Garnier, Paris (2019年)
  3. Einstein Tower (2000年)
  4. Manatee (1994年)
  5. Prospect Park Theater (1977年)
  6. Bay of Sagami, Atami(1998年)

杉本の作品は、見る者に深い感銘を与え、時間の流れと人間の存在を再考させる力を持っています。

 

地下1階:絵画における抽象―その開拓精神

地下1階では、絵画における抽象と表現への探究心をテーマに、ベルナール・フリズ、カタリーナ・グロッセ、イケムラ・レイコ、オスカー・ムリーリョ、ジャデ・ファドジェティミの作品が展示されています。ベルナール・フリズの作品は色彩の探索が特徴であり、カタリーナ・グロッセの作品は空間そのものをキャンバスに変える大胆なアプローチを見せます。イケムラ・レイコの「火の鳥・タラス」は、神秘的で力強いイメージを通して観る者を魅了します

1階:同時代の表現、個の表現世界

1階は、同時代の表現をテーマに、名和晃平の「PixCell-Deer #40」やミカ・タジマの「You Be My Body For Me」などが展示されています。名和晃平の作品は、デジタル技術を駆使して剥製にガラスビーズを纏わせることで、物質と生命の関係を探究します。ミカ・タジマの作品は、現代社会の生産と消費の構造を反映し、その動的なエネルギーを視覚化しています。岡崎乾二郎や杉本博司の作品も展示されており、それぞれのアーティストの個性が際立っています

2階:個室展示空間

2階では、個室展示空間をテーマに、ライアン・ガンダー、オラファー・エリアソン、池田亮司、ゲルハルト・リヒター、アンドレアス・グルスキー、トーマス・ルフの作品が展示されています。ライアン・ガンダーの「By physical or cognitive means (Broken Window Theory 13 May)」は、視覚と認知の交差点を探る作品です。オラファー・エリアソンの「Eye see you」は、光と影を巧みに操り、観る者を包み込む体験を提供します。teamLabや名和晃平、塩田千春、村上 隆、ルイーズ・ブルジョワ、ダン・フレイヴィン、シアスター・ゲーツの作品も展示されており、多様な表現を楽しむことができます​

3階:女性画家のまなざし

3階は、日本人女性作家の絵画が展示されており、津上みゆき、今津景、近藤亜樹、工藤麻紀子、今井麗の作品が紹介されています。津上みゆきの「View, Flowing, Evening, 8 Feb 2019/2022」は、流れるような筆致で自然の美を捉えています。今津景の「Drowsiness」は、夢と現実の境界を探る作品です。工藤麻紀子の「あの時 1 人でたのしかった」は、個人的な記憶を鮮やかに描き出しています

4階:変わるもの、消えゆくもの

4階では、さわひらき、宮永愛子、三嶋りつ惠、宮島達男の作品が展示されています。さわひらきの「/home, /home (absence)」は、日常と記憶の断片を結びつけ、観る者に時間の流れを感じさせます。宮永愛子の「くぼみに眠るそら- 寝虎-」は、透明な素材を用いて、儚さと永続性を表現しています。三嶋りつ惠の「VENERE」や「FENICE」は、ガラスの透明感と形状の美しさを融合させた作品です。宮島達男の「Counter Fragile No.4」や「Vertical in Green」は、数と時間の概念を視覚的に探求しています

5階:松本陽子の絵画

5階は、松本陽子の大型作品が展示されており、アクリル絵具を用いた絵画の探究が紹介されています。松本の作品は、色と形の関係性を深く探るものであり、「振動する風景的画面」や「熱帯」、「The Day I Saw the Evening Star」などが展示されています。特に、「生成と解体」や「光は闇のなかに輝いている」は、自然のエネルギーと生命の儚さを描いた作品です

植島幹九郎について

植島幹九郎氏は、UESHIMA MUSEUMの創設者であり、同美術館のコレクションを所有するオーナーです。彼は日本国内外でのビジネスとアートの両分野で活躍する実業家で、その背景には多岐にわたる経験とネットワークがあります。植島氏は、アートが社会に与える影響を深く理解しており、美術館を通じて新しい文化的な価値を創造することを目指しています。彼は特に、若手アーティストの育成と教育機関との連携に力を入れており、未来のクリエイターたちが自由な発想で活動できる環境を提供することに情熱を注いでいます。

植島氏はまた、芸術作品の収集においても独自の視点を持ち、「同時代性」というテーマを軸にした多様な作品を集めています。これにより、UESHIMA MUSEUMは訪れる人々に対して、現代アートの複雑さと美しさを体験する機会を提供しています。彼のビジョンは、美術館を単なる展示空間にとどまらず、教育と文化の交流の場として機能させることです。

UESHIMA MUSEUMは単なるギャラリーではなく、インスピレーションと教育のダイナミックな文化拠点です。多様なコレクションと巧みにキュレーションされた展示を通じて、現代アートの包括的な視点を提供し、周囲の世界への理解を深めます。アート愛好家から初心者まで、UESHIMA MUSEUMは訪れるすべての人々に変革の力を持つ豊かな体験を約束します。

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