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2026年4月19日、少し曇り空の京都。この日はまず護王神社を参拝してから、そのまま徒歩で京都御所へ向かう予定でいました。

護王神社があるのは、京都御所の西側、烏丸通に面した場所。「イノシシ神社」の愛称で親しまれているこの神社は、訪れる前からずっと気になっていたパワースポットのひとつでした。

境内に足を踏み入れると、出迎えてくれたのは「狛犬」ではなく「狛いのしし」。鳥居のそばに高さ約2.1メートルの大きなイノシシ像が立ち、その圧倒的な存在感に、思わず立ち止まってしまいました。

護王神社とは?京都御所のすぐ隣に鎮座するイノシシの神社

護王神社(ごおうじんじゃ)は、京都市上京区に鎮座する神社です。祭神は平安京の建都に力を尽くした「和気清麻呂(わけのきよまろ)」と、孤児たちを養育したその姉「和気広虫(わけのひろむし)」。神社本庁の別表神社であり、かつての社格は「別格官幣社」という、格式ある神社です。

足腰の守護神として知られ、アスリートや登山者、術後のリハビリ中の方など、全国から多くの参拝者が訪れます。そしてなにより、境内のいたるところに置かれたイノシシの像や奉納品が、訪れる人の目を引きます。

項目内容
正式名称護王神社(ごおうじんじゃ)
所在地京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
主祭神和気清麻呂、和気広虫
参拝時間6:00〜21:00
授与所10:30〜16:30(土日祝は9:30〜)
アクセス地下鉄烏丸線「丸太町駅」2番出口より徒歩約7分
拝観料無料

和気清麻呂とは? 日本の歴史を動かした男の物語

護王神社のご祭神である「和気清麻呂」は、奈良時代末期から平安時代初期を生きた貴族です。彼がいなければ、日本の歴史はまったく違う方向に進んでいたかもしれない。そう言っても過言ではない、非常に重要な人物です。

道鏡の野望と宇佐八幡宮の神託事件

時は769年(神護景雲3年)。女帝・称徳天皇の絶大な寵愛を受けていた僧・弓削道鏡(ゆげのどうきょう)は、「道鏡を天皇の位に就かせれば、国は安泰である」という偽りの神託を捏造し、皇位を手に入れようと画策していました。

この前代未聞の事態を受け、清麻呂は天皇の使者として宇佐八幡宮へ向かいます。ご神前で「真意をお教えください」と問いかけると、光り輝く宇佐の大神が現れ、「天皇の後継者には必ず皇族の者を立てなさい。道鏡のような無道の者は早く追放しなさい」というご神託を授けられます。

清麻呂が都に戻り天皇へ正直に報告すると、野望を打ち砕かれた道鏡は激怒。清麻呂の足の腱を切った上で、大隅国(現在の鹿児島)へ流罪にしてしまいます。

300頭のイノシシが守った奇跡の伝承

流罪となって都を離れた清麻呂が豊前国(現在の大分・福岡の一帯)に差し掛かると、突然どこからともなく300頭ものイノシシが現れました。

イノシシたちは清麻呂の輿を取り囲み、道鏡の放った刺客から守りながら、約40キロにわたる道のりを宇佐八幡まで案内したといいます。そして参拝が終わると、イノシシたちはどこかへ去っていきました。

驚くべきことに、このとき切られていた清麻呂の足の腱が完全に癒え、再び歩けるようになっていたのです。この伝承こそが、護王神社がイノシシを神使とし、足腰の守護神として信仰される由来になっています。

護王神社のスピリチュアルな力とご利益

足腰の守護神として信仰される理由

清麻呂の足が奇跡的に癒えたこの伝説から、護王神社は「足腰の病気・怪我の回復」を願う人々の聖地となりました。全国のアスリートや、手術を控えた方、リハビリ中の方などが御守りを求めて参拝に訪れます。

ご利益はそれだけではなく、「厄除・災難除け」「亥年生まれの守護」「子育て・子どもの成長」「ぜんそく封じ」など、幅広いご神徳が伝えられています。

霊猪手水舎の「幸運の霊猪」を撫でる

境内右手にある「霊猪手水舎(れいちょうてみずしゃ)」には、ブロンズ製のイノシシ像が鎮座しています。この霊猪の「鼻」を撫でると、「足腰が良くなる」「また参拝に来られる」「幸運が訪れる」といったご利益があるとされています。

実際に鼻をそっと撫でてみると、ブロンズが滑らかに磨り減っているのがわかります。数えきれないほどの手がここに触れてきた、その歴史を指先で感じるような体験でした。

2026年4月19日、曇りの日に参拝してみた

参拝者の声もなく、心地よい静けさに包まれた境内

この日は曇り空。ただ、その静けさがかえって神社の雰囲気にぴったりでした。境内に入ると、参拝者の足音も話し声もほとんど聞こえず、都会のど真ん中にいることを忘れてしまうような、心地よい空気が広がっていました。

混雑とは無縁の境内を、自分のペースでゆっくりと巡ることができました。滞在時間は約20分ほどでしたが、それでも十分に境内の空気を味わえたように思います。

イノシシの多さに圧倒され、不思議なエネルギーを感じる

鳥居をくぐってすぐ、目に飛び込んでくるのは「狛いのしし」の存在感です。拝殿の前には雌雄一対の霊猪像が鎮座し、鳥居脇には高さ約2.1メートルもの大きなイノシシ像が立っています。

そして参道を進むほどに、あちこちにイノシシが。大きいもの、小さいもの、陶器製、ブロンズ製、絵馬、置物……その数の多さに、正直「圧倒」という言葉しか出てきませんでした。これほどの数のイノシシに囲まれると、なんとも言えない不思議なエネルギーを感じます。

「この場所には何かある」と、理屈ではなく直感で感じる、そんな空気が境内には漂っていました。

境内の見どころをじっくり巡る

霊猪像(狛いのしし)と約3,000点のイノシシコレクション

護王神社でなによりも圧倒されるのが、境内に溢れるイノシシの存在感です。狛いのしし、手水舎のイノシシ、絵馬、置物、奉納品……その数はなんと約3,000点にも及ぶといいます。

「こんなところにも!」という発見の連続が、参拝をより楽しいものにしてくれます。境内を一周するだけで、十分すぎるほどイノシシと向き合える神社です。

和気清麻呂公の銅像とさざれ石

境内の北側には、清麻呂公の銅像と、重さ約7トンにも及ぶ「さざれ石」があります。さざれ石は君が代の歌詞にも登場する、縁起のある石。その大きさと存在感に、思わず見入ってしまいます。

樹齢数百年のイチョウの巨木

境内には樹齢数百年を数えるイチョウの大木が6本そびえています。そのうち境内北側の巨木は「上京区の誇りの木」にも認定されており、秋の紅葉シーズンには黄金色に輝くそうです。4月の参拝では青々とした葉が広がり、清々しい緑が境内を包んでいました。

護王神社から京都御所へ 徒歩でつなぐ歴史散歩

護王神社を参拝したあとは、そのまま徒歩で京都御所へ向かうことができます。護王神社は京都御所の西側、蛤御門のちょうど向かいに位置しているため、アクセスが非常にスムーズです。

「和気清麻呂は平安京の建都に尽力した人物」という歴史を知った上で御所を訪れると、感じ方がひとつ変わってきます。護王神社を先に参拝してから御所へ向かうという流れは、歴史好きにもおすすめのコースです。

護王神社の参拝情報まとめ

項目内容
参拝時間6:00〜21:00
授与所10:30〜16:30(土日祝は9:30〜)
拝観料無料
アクセス地下鉄烏丸線「丸太町駅」2番出口より徒歩約7分
住所京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
公式サイトhttp://www.gooujinja.or.jp/

護王神社は、京都御所観光のついでに立ち寄れるアクセスの良さと、知れば知るほど奥深い歴史が魅力のパワースポットです。参拝者の声もなく静かな境内で、清麻呂公の物語を思いながらゆっくりと過ごす時間は、心がすっと落ち着くような穏やかなひとときでした。

イノシシにまつわる3,000点以上の像や奉納品、そして日本の歴史を変えた男の奇跡の伝承。知れば知るほど、もう一度訪れたくなる神社です。

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