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直島②|瀬戸内国際芸術祭2025 第4回:護王神社と杉本博司の「時の回廊」

はじめに 2025年8月16日、直島二日目。私は、長年惹かれ続けてきた杉本博司の作品世界を辿る一日を過ごしました。家プロジェクトの要である護王神社《Appropriate Proportion》、そして《杉本博司ギャラリー 時の回廊》。「江之浦測候所」や「本歌取り 東下り」など各地で作品を見てきた体験が、直...

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直島①|瀬戸内国際芸術祭2025 第3回:赤かぼちゃからRing of Fireまで、直島の真髄を歩く

はじめに 2025年8月15日。瀬戸内国際芸術祭の旅は、いよいよ直島に入りました。直島は「現代アートの聖地」と呼ばれる島で、芸術祭だけでなく普段から多くの人々を惹きつけています。今回の記事はシリーズ第3回。訪れたのは《赤かぼちゃ》をはじめとする象徴的な作品群、銭湯「I♥湯」、家プロジェクト、そ...

Spiritual place

忌部神社参拝記 ― 阿波踊りの余韻と共に

導入:熱気と静けさの交差点 徳島の夏といえば、何といっても阿波踊り。2025年8月14日、私はその熱気に包まれる徳島市内にいました。踊り子たちの掛け声と太鼓の響きが夜空にこだまする中、心の奥で「静かな場所に身を置きたい」という思いがふっと芽生えました。熱狂の余韻を胸に抱えたまま、私は足を延ばし、眉山の南麓に...

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引田地区|瀬戸内国際芸術祭2025 第2回:港町に響く手袋と大漁旗の物語

はじめに 2025年8月13日。女木島を巡ったあと、私は今回初めて芸術祭の舞台に加わった「引田地区」を訪れました。香川県東かがわ市のこの港町は、手袋産業で栄えた歴史を持ちつつ、今は人口減や高齢化の波にさらされています。普段なら訪れることのなかった土地に、アートを通じて触れることができたこと自体が貴重な体験で...

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女木島|瀬戸内国際芸術祭2025 初めての「鬼ヶ島」で出会うアートと夏の熱気

はじめに 2025年8月13日、連日の猛暑日が続く中、私は瀬戸内国際芸術祭の舞台・女木島を訪れました。芸術祭への参加は今回で2度目。前回は2022年に足を運びましたが、女木島は今回が初めてです。瀬戸内海に浮かぶ「鬼ヶ島」の伝説を持つこの島で、アートと自然がどのように交わるのか、胸を高鳴らせながら船を降りまし...

Fashion / Maison Art

170年の旅が再起動 大阪中之島で体感するルイ・ヴィトン『ビジョナリー・ジャーニー』

大阪・中之島で開催中の本展は、単なるアーカイブ陳列でも、ブランドの年表をなぞる回顧でもありません。ルイ・ヴィトンが170年以上かけて磨いてきた「旅」の概念を、トランク=起点からランウェイ、カルチャー協働へと接続し直す“編集”として体験させてくれる大型展です。会場のスケールは十分。4つのゾーン、11のギャラリ...

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草間彌生「INFINITY ― Selected Works from the Collection」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)訪問ガイド

万華鏡のように世界が反復し、自己が溶け出していく。草間彌生の芸術を象徴する「無限」と「反復」の感覚を、凝縮された空間に体験として結晶させた展覧会が、大阪・心斎橋のエスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催中です。タイトルは「INFINITY ― Selected Works from the Collection」...

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最終日の熱気を歩く 「安藤忠雄展 青春」大阪で体感した“設計の手”と、光と水の時間

開催概要 最終日ということもあり、会場は開場直後から人、人、人。動線は常に緩やかな渋滞で、ひとつの展示前に人だかりができると、次のブロックまでゆっくりとしか進めませんでした。それでも「行けてよかった」と言い切れるのは、図面・建築パース・アクソメ・模型、そして大画面映像まで、安藤建築を“つくる手”のレイヤーご...

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色彩豊かな異文化の旅:松山智一展「FIRST LAST」

桜が散る4月下旬、東京・麻布台ヒルズギャラリーで開催中の松山智一展「FIRST LAST」を訪れました。ニューヨークを拠点に活動する松山にとって、日本初の大規模個展となる本展には、約40点の多彩な作品が集結し、7つの章立て(屋外展示も含む)で構成されています。会場に足を踏み入れた瞬間から、全身を包み込むよう...