
『日吉大社』 比叡の森に息づく“山王信仰”と神猿の霊験
JR湖西線「比叡山坂本」駅で電車を降り、石畳の参道を約二〇分。あるいは京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅から一〇分ほど(ゆっくり歩いて十五分)。朱塗りの大鳥居が視界に飛び込んだ瞬間、比叡山の澄んだ空気と琵琶湖の湿潤な風が交わり、肌にひんやりとした清涼感が走った――ここが二千年の歴史を刻む大霊場・日吉大社だ。...
JR湖西線「比叡山坂本」駅で電車を降り、石畳の参道を約二〇分。あるいは京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅から一〇分ほど(ゆっくり歩いて十五分)。朱塗りの大鳥居が視界に飛び込んだ瞬間、比叡山の澄んだ空気と琵琶湖の湿潤な風が交わり、肌にひんやりとした清涼感が走った――ここが二千年の歴史を刻む大霊場・日吉大社だ。...
京阪電車「近江神宮前」駅を降りると、深い常緑の森に朱塗りの大鳥居が映え、参道全体が穏やかな気流で満たされています。ここ近江神宮は、昭和十五年(一九四〇)に鎮座した比較的新しい社ですが、主祭神の天智天皇が都を大津に遷した一三五〇年の歴史を背景に持ち、全国十六社のみの勅祭社として格別の格式を誇ります。 天智天皇...
2025年7月23日、私は祇園祭の熱気渦巻く京都の中心部から洛北へと足を延ばしました。四条通の人混みや山鉾の音色が次第に遠ざかる中で迎えてくれたのは、「しょうざん 峰玉亭」。あの瞬間から、私の心は静謐な余韻に包まれ、まるでひそやかな祈りの中に身を置くような感覚に変わっていきました。 今年は特別な年でした。峰...
はじめに 〜 祇園祭・後祭の熱気を背に、静寂を求めて 猛暑の京都。祇園祭・後祭の宵山最終日で賑わう四条通をあとに、市バス北1系統で鷹峯へ。車窓に北山の緑が迫り、「鷹峯源光庵前」で下車すると一転して蝉しぐれと杉木立の清涼感が迎えてくれました。 源光庵の歩み 〜 “復古禅林”と呼ばれる理由 年代 できごと 補足...
京阪「祇園四条」駅から四条通を東へ。2025年7月22日、祇園祭〈後祭〉宵山の二日目に八坂神社へ向かった。午前9時、西楼門の朱が真夏の陽射しを反射し、境内はほどよい人出で落ち着いている。午後9時に再訪すると、同じ門が千余りの駒形提灯の光に包まれていた。後祭では前祭のような歩行者天国や露店は設けられないが、そ...
万華鏡のように世界が反復し、自己が溶け出していく。草間彌生の芸術を象徴する「無限」と「反復」の感覚を、凝縮された空間に体験として結晶させた展覧会が、大阪・心斎橋のエスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催中です。タイトルは「INFINITY ― Selected Works from the Collection」...
開催概要 最終日ということもあり、会場は開場直後から人、人、人。動線は常に緩やかな渋滞で、ひとつの展示前に人だかりができると、次のブロックまでゆっくりとしか進めませんでした。それでも「行けてよかった」と言い切れるのは、図面・建築パース・アクソメ・模型、そして大画面映像まで、安藤建築を“つくる手”のレイヤーご...
はじめに 2025年4月27日、東京都立の日比谷公園で開催中のアートイベント「Hibiya Art Park 2025」に足を運びました。本イベントは、東京都が推進する「花と光のムーブメント」の一環として行われており、2024年に初開催されて大きな反響を呼んだ屋外アート企画の第2弾となります。 昨年は「Pl...
— 二条城「ソラリス」と映画『アンゼルム』を経て、二つの絵と向き合う時間 — はじめに:二つの絵との静かな対話を求めて 京都・二条城で開催中の大規模展「アンゼルム・キーファー:ソラリス」で味わった圧倒的な体験が、まだ記憶に新しく残っています。歴史ある空間に響く崩壊と再生のイメージに心揺さぶられ、作品世界に深...
はじめに 東京・谷中。細い路地の奥に、静かに佇む「SCAI THE BATHHOUSE」があります。かつて銭湯だった建物を改装したこのギャラリーは、天井が高く、どこか懐かしさを感じさせる独特の空気をまとっています。 ここで今、名和晃平さんの個展「Sentient(センシエント)」が開催中です。 名和さんとい...